尿もれ対策・予防アドバイザー教本
骨盤底筋を鍛えても、手ごたえがなかった方へ。
首から骨盤へ、食から感覚へ。
講習会の講義を一冊にまとめた教本です。
くしゃみの前に、身体を固める。
笑うときに、そっと脚を閉じる。出かける前に、トイレの場所を確かめておく。重いものを持つ前に、一度息を止める。
どれも、周りからは見えません。見えないように、上手にやれてしまう。だから家族にも友人にも言わないまま、小さな調整を、毎日ひとりで続けています。
調べれば、決まって出てくる言葉があります。「骨盤底筋を鍛えましょう」。
真面目に続けた方ほど、こう感じています。手ごたえがない。かえって身体がこわばった。そもそも、効いているのかどうかが分からない。「年のせいだから」と、あきらめかけている方もいるかもしれません。
この教本の立ち位置
施術30年の現場と、東洋の養生。
そして、医療の確かさ。
現場の技術と理論
施術歴30年以上。尿もれ対策・予防アドバイザー養成講座で話してきた理論と手技が、そのまま土台です。
東洋の養生
冷えと食、首の導引、季節と臓腑。古くからの身体の見方を、出典をたどって受け継いでいます。
医療の確かさ
尿もれの型は学会の診療ガイドラインに沿って説明し、受診の目安を最初に置きました。
医療を否定せず、医療だけに任せきりにもしない。
毎日の身体づくりを、自分の手に取り戻すための一冊です。
骨盤底筋の体操は、間違いではありません。医療の現場でも勧められている方法です。病院で勧められているなら、続けてください。
ただ、思い出してください。くしゃみは、待ってくれません。「締めよう」と考えてから締めたのでは、間に合わない。支える働きは、本来、考えるより先に動いているものです。
風流PNFCは、尿もれを「力が足りない問題」とは見ません。首から骨盤へつながる動きの連鎖が止まる。冷えで感覚が鈍る。子どもの頃には当たり前にあった反射が薄れる。いくつかのことが、ある順番で重なった結果として、支える働きが止まっている。そう見立てます。PNFC理論
足りなかったのは力ではなく、順番でした。
だから、締める前に、動く順番と感覚を取り戻すところから始めます。
確からしさの印
教本では、話ごとにこの印が付いています。
学会や公的機関で裏づけのある話と、
風流PNFCの現場の見方を、混ぜずに読み分けられます。
教本は、ここから始まります
最初の頁は「最初に確かめること」です。尿もれには、医療で確かめたほうがよい原因が隠れていることがあります。受診の目安を八つ並べ、当てはまるときはまず泌尿器科や婦人科へ、と書きました。
確かめてから、始める。急がないことが、いちばんの近道です。
四つの見方
四つは別々に見えて、ひとつの連鎖です。
ただし、始める場所があります。
一 順番
締めるより先に、動く順番
二 首
骨盤なのに、まず首から
三 食
食べたものが、感覚をつくる
四 他力
ひとりで頑張らない
一
順番
回っている独楽は、倒れない。
子どもの頃に回した独楽を思い出してください。止まった独楽は、指で支えないと立ちません。回っている独楽は、ひとりで立っています。
風流PNFCは、骨盤も同じだと考えます。歩くたびに、息をするたびに、骨盤は小さく回りながら身体を支えている。その回転が止まって「固まった器」になると、底を支える働きも止まる。これが教本の出発点です。PNFC理論
もうひとつ、確かめられていることがあります。お腹の中は、上を横隔膜、下を骨盤底でふさいだ筒のようなもの。息を吐くと横隔膜が上がり、骨盤底も一緒に上がります。史実
いま、試せます
両手を、肋骨の下に置く。
口から、長く、ゆっくり吐く。
吐ききるころ、お腹の底がふっと上へ引き上がる感じはありましたか。締めようとしなくても、底は息と一緒に動いています。吸うより、吐くを長く。教本の実践は、すべてこの一息から始まります。
ただ、この回転は骨盤から始まるのではありません。上から、順に下りてきます。いちばん上にあるのは、意外な場所です。
二
首
天を揺り動かす柱。
「首? 骨盤の話じゃないんですか?」。講習会でも、多くの方が最初にそう聞き返します。そう思うのが自然です。
明の時代の養生書に収められた導引(古い体操)に、「微擺撼天柱」という一節があります。撼は揺り動かす、天は頭、柱は首。頭を左右にめぐらせ、肩もつれて動く、首まわりの動きです。古典
頭と首のつなぎ目には、呼吸や内臓の働きを無意識に調整する神経の中枢があります。史実 風流PNFCは、首をその指令の通り道の「元栓」と見ます。元栓が固く締まったままでは、骨盤をいくら締めても、指令が届きにくい。だから骨盤のケアを、首から始めます。PNFC理論
いま、試せます
座ったまま、ゆっくり右を向き、ゆっくり左を向いてみてください。回りにくい側はありましたか。その硬さと骨盤がどうつながっているのか、どこにどう触れるのかは、教本の第三章と第七章で。
そして、この連鎖の出発点は、動きの中ではなく食卓にあります。
三
食
昨日の夕食も、骨盤の底に届いている。
夏でも冷たい飲みもの。冷房の中で過ごす一日。つい続く甘いもの。そうした積み重ねが、身体の奥の感覚を鈍らせていく、と風流PNFCは考えます。PNFC理論
骨盤の底は、とても繊細な場所です。「いま支えるべきだ」と気づく感覚が鈍ると、繊細なところから先に働きにくくなる。動きを整えるだけでなく、食から感覚を取り戻す。教本が食に一部をまるごと使っているのは、そのためです。
たとえばミネラル。筋肉が縮んだりゆるんだりする働きや、神経の伝わりに欠かせない栄養素です。史実 小魚や海藻、大豆に青魚、薬味と発酵食。どれも昔ながらの和食の食卓にあるものです。
明日の朝、試せます
朝いちばんの一杯を、冷たいものから温かいものに替えてみてください。一つ足して、一つ減らす。教本の食は、正しさで自分を追い込むためのものではありません。その軽さで続けます。
講義でいちばん関心を集めたのは、かぼちゃの種の話でした。その中身は、教本の第五章で。
食と動きを整えても、ひとつだけ残ることがあります。ひとりで頑張ってしまうことです。
四
他力
ひとりで、頑張らない。
真面目な方ほど、ひとりで締めて、ひとりで何とかしようとします。でも頑張るほど、表面の大きな筋肉に力が入り、深いところの働きを邪魔してしまう。PNFC理論
だから教本は、人の手を借りることを勧めます。揺らしてもらって「この感じ」を覚えた身体は、次から自分で動けるようになる。誰かに手伝ってもらうことは、恥ずかしいことではありません。
髙田は講義で「尿もれの悩みに本当に寄り添えるのは、女性だと思う」と話しました。男性には言えなくても、女性同士なら言える。教本の第七章は、身近な方と行う、首から骨盤へ四段のコンディショニングです。講習会で実際に行った手技を、写真で収めました。
見えてきたこと
教本は、支える働きが止まっていく道すじを、四段で描いています。
出発点
冷え・食
次に
感覚が鈍る
すると
反射が薄れる
結果
回転が止まる
連鎖は、逆向きにもたどれます。冷えがやわらぐと感覚が戻り、感覚が戻ると反射が働きやすくなり、首から下りてくる回転が骨盤まで届く。順番が合えば、ひとつの変化が次の変化を呼ぶ。風流PNFCが順番にこだわるのは、このためです。PNFC理論
美しい話です。でも裏を返せば、こうなります。首が固いまま、冷えたままで骨盤の底だけを締め続けても、上から届くものがない。真面目な人ほど、そこで空回りします。
そして、どこが上流でどこから始めればいいかは、断片の情報からはなかなか見えてきません。調べて出てくるのは、いつも骨盤の底のことだけだからです。
その順番が
教本の実践は、この順番のとおりに並んでいます。吐く息から始まり、首から骨盤へ、揺れから回転へ。迷ったら、頁の順に開けばいい。そう作りました。
ひとりで行うセルフ ムービングストレッチが四つ。人の手を借りるコンディショニングが四段。どれがどの理論に当たるのかも、頁をまたいで示してあります。だから、なぜそれをするのかが分かったまま続けられます。
三週間を通すと
夜、布団の上で膝を立てて、吐く息から。朝は、最初の一杯を温かく。手帳には、気づいたことを一言だけ。何を、どの順でやるかが決まっているから、調べ直す夜がなくなります。
巻末の21日観察手帳には、「ヒヤッと」の欄があります。数えるのは、もれた回数ではありません。ヒヤッとしたことに、気づけた回数です。気づけることは、感覚が戻ってきたしるし。教本はそう考えます。
21日目。一週目と三週目の「気づき」の一言を、読み比べてみてください。評価するためではなく、自分の身体を観察するための三週間です。
そして、話せる相手になれます。
この悩みは、打ち明けられる相手がいるだけで、ふっと軽くなります。自分の身体で順番が分かった人は、同じ悩みの友人に「それ、よくあることなんだって」と先に言えます。受診をすすめたほうがいい目安も分かります。
教本の最後の章は、言えない悩みに寄り添う聞き方と話し方です。まず自分が分かること。話せる相手になれるのは、その結果です。
正直にお伝えすると
この教本を読んだ方の声は、まだ載せていません。教本として世に出すのが、これからだからです。
代わりに、講習会でくり返し起きていることをひとつ。首の話をすると、多くの方が「首?」と聞き返します。そのあと全員で、互いの首の後ろに触れて、硬さを確かめ合う。触れてわかるようになることが、最初の技術です。
首に触れることが、そのまま話の入口になることもあります。身体の話から入ると、言いにくいことが少し言いやすくなる。教本には、その場面をまんがにして入れました。
誌面を少しだけ
まんが7本と挿絵は、この教本のために描きおろしました。読み物として入れるように、場面から始まります。
教本の中身
前付
第一部 理論編:なぜ、もれるのか
第二部 食養生編
第三部 実践編
第四部 アドバイザー編
この教本は、尿もれ対策・予防アドバイザー養成講座の講義をまとめたものです。認定は講習会の受講と修了で行います(教本のご購入だけでは認定になりません)。
教本 11,000円(税込)・Web版(印刷用PDF 全104頁つき)
監修・著
髙田 一壽
たかだ かずひさ
施術歴30年以上、月に200名以上の身体と向き合ってきました。全国の高齢者施設やスポーツ団体での指導も重ねています。鍛えるのではなく、本来の働きを取り戻す。尿もれも同じ考えで、講習会で伝えてきたことを一冊にしました。
相性について
向いている方
別の道が合う方
気になること
Q. アドバイザー教本とありますが、自分のために読んでもいいですか?
はい。教本そのものが、まずご自身の身体を知るところから始まります。人に伝えるための章は最後の一章で、自分で分かった人ほど、自然に使えるように並べてあります。
Q. 病院で骨盤底筋の体操を勧められています。
そのまま続けてください。お医者さんの指示がいちばんです。教本のケアは、その体操をしやすくする身体の土台づくりとして、一緒に行えます。
Q. 運動が苦手でもできますか?
できます。強く動かすものではなく、仰向けで吐く息から、揺れに任せて動く方法です。心地よい範囲で、やさしく。痛みや違和感が出たら、その場でやめるのが教本の約束です。
Q. 出産のあとから気になっています。
産後はとても多い悩みです。まず産婦人科で相談し、お医者さんの了承が出たら、呼吸から始めてください。
Q. 男性でも読めますか?
読めます。骨盤底は男性にもあり、考え方は同じです。前立腺の病気が関わることもあるので、まず泌尿器科で確かめてください。
Q. 家族にやってあげてもいいですか?
ぜひ。どこにどう触れるかを先に伝え、了承を得てから、やさしく。手技の細かな力加減は紙面では伝えきれないので、人に行う機会が多い方には講習会もおすすめしています。
Q. 買うと、アドバイザーの認定がもらえますか?
認定は講習会で行っています。教本は講習会の講義をまとめたものですから、先に読んでおくと、講習会がよく分かります。
秋分を過ぎて、季節は冬へ向かいます。冬は、東洋の見方では腎と膀胱の季節。そして冷えは、この連鎖の出発点でした。冷えが深まる前の三週間で、手帳を一冊埋めてみてください。
尿もれ対策・予防アドバイザー教本
理論・食・実践・伝え方の4部8章
+ 受診の目安 + 実技写真23点 + 21日観察手帳
+ よくある質問・用語集・出典一覧
11,000 円(税込)
一度きりのお支払いです。月額や更新料はありません。
Web版(印刷用PDF 全104頁つき)/お支払い後すぐ/期限なく、何度でも開けます
講習会では、理論と食だけで半日(22,000円)、実技まで通すと一日かけてお話ししています。その内容を、セルフケアから人の手を借りるコンディショニング、伝え方まで一冊に収めました。手技の力加減は紙面では伝わらないので、講習会の代わりにはなりません。けれど、講義で話したことは全部入っています。
手帳は刷り直せるので、三週間を何度でもやり直せます。整体一、二回分ほどの支出で、何をどの順でやるかが手元に残ります。
読んでみて合わなければ、無理に続けなくて大丈夫です。期限はありませんから、必要になったときにまた開いてください。
≫ 動く順番から、始めるお支払い後、すぐにお読みいただけます人に会わずに、今夜から一息目を始められます。
このままでも、毎日の小さな調整は続けられます。くしゃみの前に身体を固め、出かける前にトイレの場所を確かめる。誰にも気づかれずに、上手にやれてしまう。だから、ひとりのまま何年も続きます。
変えられるのは、その調整をひとりで続けるか、順番を知って続けるかだけです。
追伸。尿もれは、とても多い悩みなのに、ほとんど話題にのぼりません。この悩みは、打ち明けられる相手がいるだけで軽くなります。この一冊が、まずあなた自身の身体を知る手がかりになり、やがて身近な誰かを支える力になることを願っています。今夜の一息から、始めてください。
本教本の内容は、身体の使い方・食・コンディショニングにもとづく健康維持のための情報であり、病気の診断・治療を目的とするものではありません。尿もれには医療機関での検査や治療が必要な原因が隠れていることがあります。受診の目安に当てはまる方や通院中・妊娠中の方は、医師にご相談のうえでお読みください。文中の腎・膀胱などは東洋的な身体観にもとづく分類を含みます。セルフケアとコンディショニングは心地よい範囲で行い、痛みや違和感が出たときはただちに中止してください。